投資開発事業等
投資開発事業本部長メッセージ

不動産事業では、2024年度に当社初の大規模開発である平野複合開発の着手や、当社社宅のリノベーションをはじめとした賃貸マンションブランド「OC RESIDENCE(オーシー レジデンス)」の立上げなど、着実に成長軌道に向けて進捗しており、2025年度はそれをより確実なものにするとともに循環型再投資モデルを実現すべく、新規投資を含めた事業運営を行っていきます。新事業では、2024年度の爆発事故で停止中の石狩バイオマス発電所の早期再稼働を実現しなければなりません。また、下水道陥没事故などインフラ老朽化問題が喫緊の社会課題であり、ウォーターPPPや公共インフラでの官民連携事業に注力していきます。引き続き、持続可能な社会基盤の実現に貢献するため、総合インフラストラクチャー企業として、不動産事業、公共インフラの官民連携事業に加え、脱炭素・再生可能エネルギー事業や地方創生事業の取り組みを継続し、「2030年に向けたビジョン」の実現を目指します。
事業概要
投資開発事業では、不動産分野の事業拡大とともに、将来を見据えた新たな事業領域への参入により、収益基盤を強化し、持続可能な企業価値の向上を目指しています。中長期的な安定収益を確保することを目的とし、地域社会と共生しながら社会課題の解決に貢献する事業モデルの構築を図っています。具体的には、土地区画整理事業、都市再開発や複合用途の不動産開発を推進するとともに、再生可能エネルギー発電などのエネルギー事業やPPP/コンセッションといった官民連携事業への参入を進めています。これらの取り組みを通じて、環境負荷の低減、地域インフラの整備、そして地域経済の活性化といった社会的役割を果たしていきます。
投資開発事業等の業績(連結)
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売上高・売上総利益(率)
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売上工種別内訳(2024年度)
※1 新事業は、再生可能エネルギー発電事業等を指す。
※2 その他事業には、建設資機材等の製造および販売に関する事業を含む。
前中期経営計画(2022~2024年度)の成果
前中期経営計画(2022~2024年度)に掲げた「企業価値の向上」「事業領域の拡大」「人的資源の活用」の3つの基本方針に基づき、以下のとおり取り組みました。 【企業価値の向上】築古社宅(築48年)の一棟(全戸)ZEH水準のリノベーションを実施し、環境配慮型賃貸マンションとして再生することで、保有資産の価値を高めるとともに、脱炭素社会に貢献する取り組みを実施しました。 【事業領域の拡大】不動産事業においては、再開発事業への参画(多治見駅南地区市街地再開発事業)のほか、社有不動産の有効活用(ドーミー高松錦町計画の完了、平野複合開発の着手、御茶ノ水開発計画の着手、社宅6棟の収益化)、賃貸マンションブランド(OC RESIDENCE R)を立上げています。新事業開発においては、再生可能エネルギー施設を整備し、エネルギー事業領域を拡張したほか(石狩バイオマス発電事業、福島平田村バイオマスパワー発電所)、第一次産業への新規参入(夏秋いちご栽培事業、バナメイエビのスマート養殖事業)、下水道分野における官民連携事業により持続的かつ効率的な維持管理を推進しています(千葉県柏市、福島県いわき市)。 【人的資源の活用】クロスイノベーションセンターを開設し、産官学民連携による新事業、技術創出を推進しており、学術機関との連携により技術開発力と専門性を強化していくことで、事業の競争優位性を確立していきます。
事業環境/課題認識
投資開発事業を取り巻く市場は、都市再生や脱炭素、人口減少社会への対応など、さまざまな課題が混在しています。不動産需要の変化や新規事業への参入機会が生まれる一方で、技能労働者の高齢化や人手不足、資材価格の高騰やエネルギー価格の高騰、金利上昇などコスト面・人材面での課題が顕在化しています。特に、投資コストの増加にともなう採算の不確実性等は、事業推進における重要な課題です。そうしたなか、投資開発事業本部では、課題への対応を成長の機会と捉え、長期的な収益基盤の構築に注力し、リスクを抑えた安定した事業を展開しながら、建設技術と不動産開発のシナジー効果を発揮し、価値ある社会資本の形成と持続可能な社会の実現を目指していきます。
- 学術連携、オープンイノベーションによる高度な技術開発力に基づく競争優位性
- 再生可能エネルギー事業など事業ポートフォリオの拡大や中長期的な収益力の強化
- 物価、金利上昇など経済環境の変動にともなう投資コスト増加、投資回収の長期化
- 事業運営コストの上昇や規制強化による採算性悪化
- 学術機関の知見を活用し、社会課題解決型ビジネスや新たなビジネスモデルの構築、新規事業への参入
- 脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー関連事業の拡大
- 政策的支援など新事業領域への参入障壁の低下
中期経営計画(2025~2027年度)における重点施策
中期経営計画(2025~2027年度)では以下の重点施策に基づき、事業展開していきます。 【不動産事業】-安定的な収益確保・循環型再投資モデルの推進- 資本の効率的な活用を念頭に、潜在価値の高い物件の取得・開発・売却の循環型ビジネスモデルの推進により事業拡大を図ります。また、保有資産の価値向上に向けた投資(リノベーションなど)による収益拡大を図ることで長期的に安定収益を確保します。加えて、当社が有する建設・環境技術等の活用やパートナー企業との共同開発により不動産価値の向上を図り、収益を確保する開発事業の推進体制を構築していきます。 【新規事業】-官民連携による長期的事業の推進、脱炭素ビジネスの開発- 下水道包括管理委託業務の実績等を活かした「ウォーターPPP」を中心とした官民連携事業への展開のほか、再生可能エネルギーをはじめとする環境技術の開発および事業化に注力していきます。さらに、地域課題のソリューションを通じて、地域経済の活性化や地域の持続可能なまちづくりに貢献する事業開発や産官学民との連携による新規ビジネスやソリューションの創出、資本提携、M&Aを通じた事業領域の拡大にも取り組んでいきます。
2024年度の主な事業(投資開発)
社有地活用事業:社宅6棟改修プロジェクト
社有地活用事業:ドーミー高松錦町計画(香川県高松市)
夏秋いちご栽培事業(長野県軽井沢町)
福島平田村バイオマスパワー発電事業(福島県平田村)