ニュースリリース
場所打ちコンクリート拡底杭の引抜き抵抗力をより大きく評価できる工法を開発しました - (一財)ベターリビング評定を取得-
株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、社長:奥村太加典)と丸五基礎工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:徳山慶裕)の2社で共同開発した、より大きな引抜き抵抗力を評価できる場所打ちコンクリート拡底杭工法「奥村・丸五式引抜き抵抗杭工法(OMR/B-2)」(以下、「本工法」)が、2022年12月14日付で(一財)ベターリビングの評定(CBL FP020-21号、CBL FP021-21号)を取得しました。
【経 緯】
1985年に両社で共同開発した「奥村・丸五バケット式拡底杭工法(OMR/B)」(以下、「従来工法」)は、拡底径の拡大や使用するコンクリートの強度を高めるなどの改良を継続的に行いながら、2021年度までに約3,000件(杭本数10万本以上)の実績を積み重ねてきました。また、2010年には業界で初めてアースドリル工法における拡底率(有効底面積÷軸部面積)の最大値4.9(直径比約2.2倍)を実現するなど、場所打ちコンクリート拡底杭工法として高い評価と信頼を得てきました。
しかし、拡底部に大きな引抜き抵抗力を有するものの、引抜き抵抗力の算定にあたっては、拡底部を考慮しないのが一般的であることから、設計上必要な引抜き抵抗力を確保するためには、軸径を大きくしたり、杭長を長くしたりする必要がありました。そこで両社は、拡底部側面の傾斜による引抜き抵抗の増加効果を実大試験により確認し、このたび「奥村・丸五式引抜き抵抗杭工法(OMR/B-2)」として(一財)ベターリビングの評定を取得しました。
【メリット】
1.本工法は、これまで考慮されなかった拡底部側面の傾斜による引抜き抵抗力を評価できます。
2.従来工法よりも杭の軸径部をスリム化したり、杭長を短縮したりすることが可能となり、掘削土量や打設するコンクリート量、
施工時に使用する安定液量などを削減できるため、コストや地球環境への負荷低減が期待できます。
3.適用地盤に互層地盤を含み、中間層を支持層とした場合にも引抜き抵抗力を評価できます。
【OMR/B-2の仕様】
1.杭径 軸 径:φ700mm~φ4,500mm
拡底径:φ900mm~φ4,700mm
2.コンクリート
設計基準強度(Fc):24~80N/mm2
JIS適合品の構造体強度補正値(28S91):0N/mm2以上とする
(大臣認定コンクリートの場合は指定された値による)
3.傾斜角度:6°≦θ≦12°(θは施工径による角度)
4.最大施工深さ:90m
5.適用地盤:砂質地盤、粘土質地盤、互層地盤
6.引抜き抵抗力の評価 傾斜部:評定に従う
軸部及び立上り部:告示式を適用(摩擦を無視する範囲はなし)
【今後の展開】
超高層建物や、高さに対して幅が狭い中層建物などの合理的な杭工法として積極的に提案してまいります。
本工法の実施工開始は2023年4月頃を予定しており、これまでと同様に丸五基礎工業が施工を担当します。
【お問い合わせ先】
(この記事に関するお問合せ)
株式会社奥村組
建築本部 建築部 建築企画課
林 芳尚(はやし よしひさ)
〒545-8555 大阪市阿倍野区松崎町2-2-2
TEL:06-4703-5297/FAX 06-6625-0492
E-mail:yoshihisa.hayashi@okumuragumi.jp
(本工法を用いた杭工事に関するお問合せ)
丸五基礎工業株式会社
東京支店 技術研究所
今井 康幸(いまい やすゆき)
〒135-0016 東京都江東区東陽6-3-30
TEL:03-3649-5131
E-mail:imai-yasuyuki@marugokiso.co.jp
丸五基礎工業株式会社
技術研究所
中田 康雄(なかた やすお)
〒541-0053 大阪市中央区本町1-8-12(オーク堺筋本町ビル7階)
TEL:06-6264-0501(代)
E-mail:y_nakata@marugokiso.co.jp