ニュースリリース
奥村組、西松建設、戸田建設の3社で「土木工事プラットフォーム」の第二弾「進捗Pro™」「濁水ウォッチャー™」を開発~実現場に適用し、生産性向上・労働時間短縮を実現~
株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、社長:奥村 太加典)と、西松建設株式会社 (本社:東京都港区、社長:細川 雅一)、戸田建設株式会社(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)の3社で、株式会社ネクストフィールド(本社:東京都渋谷区、社長:中川 勲治)の協力のもと、計画工程に対する進捗度をスマートフォンで管理できる「進捗Pro™」と濁水処理施設の数値・データを遠隔管理する「濁水ウォッチャー™」を開発し、実際の工事現場での利用を開始しました。当アプリケーションは過年度に構築した「土木工事プラットフォーム」上で利用できます。
■土木工事プラットフォームについて
土木工事における情報を一元化し、リアルタイムでの見える化、施工上のリスクの早期発見を図ることを目的に、奥村組・西松建設・戸田建設の3社は共同研究開発に関する契約を2023年7月に締結し、「土木工事プラットフォーム」を構築しました。当プラットフォームでは、これまでに「シールド掘進にともなう振動計測」、「地盤掘削等にともなう山留壁の変状計測」の2つのアプリケーションを開発し、3社JVで施工中のシールドトンネル工事をモデル現場として検証してきました。振動計測については、シールドマシンに設置した振動加速度から換算した地上の振動レベルの予測値を、山留壁の変状計測については、山留壁に設置した傾斜計とアンカー軸力計の数値を、それぞれe-Stand※1に表示するとともに、危険度レベルに応じたアラートの発報システムを実現しています。
■今回開発した2つのアプリケーション
3社が蓄積してきた現場施工に関する知見を活かし、本システムで現場管理の効率化をサポートするため、建設現場で汎用的に利用できる2つのアプリケーションを追加開発しました。
3社が施工する道路リニューアル工事、鉄道工事、シールド工事等をモデル現場として開発した、進捗Pro™、濁水ウォッチャー™の有効性について検証しました。
①進捗Pro™
時間制約が厳しい道路占用工事や営業線内鉄道工事などで、計画工程に対する進捗度をスマートフォン等による操作で可視化し、作業箇所と遠隔地(施工者や発注者の事務所など)双方でのリアルタイムな進捗状況の共有を可能とするアプリケーション。
複数人が進捗を容易に打刻、閲覧することができ、進捗状況を適切に管理して工事継続の可否の判断を行うことが可能となります。
②濁水ウォッチャー™
濁水処理施設の排出値や薬剤の残量は、アナログメータ等で管理され、担当職員が現認する必要があるが、このアナログメータ等をOCRカメラ※2で読み取り数値化することで、データの自動共有と遠隔可視化、設定した値によりアラート発報を実現するアプリケーション。
遠隔監視による現地確認手間の省力化、アラート機能によるリスクの早期検知が可能となります。
■他社提供の開始
建設業界全体の生産性向上、現場管理の効率化を進めていくため、他の建設会社に土木工事プラットフォームのサービス提供を開始しました。現在、中堅ゼネコンの道路占用工事や、地方ゼネコンの舗装工事などでは進捗Pro™の利用が始まっています。
■今後の展望
奥村組・西松建設・戸田建設の3社はネクストフィールドと共同で、今後も各社で蓄積してきた施工ノウハウと情報基盤を活かすとともに、熟練の現場監督がもつ現場管理の知識や感覚などのナレッジと現場情報を一元化し応用することで、土木工事プラットフォーム内のアプリケーションを拡充してまいります。
さらに、当プラットフォームでの他社利用を積極的に展開することで、建設業界全体の現場管理の効率化を下支えし、持続的な発展・活性化に貢献してまいります。
※1 e-Stand:ネクストフィールドが提供する建設現場向けダッシュボードサービスで、必要な情報をリアルタイムに一覧表示・操作することができます。
※2 OCRカメラ:OCR(Optical Character Recognition/Reader)とは、写真や画像から文字を読み取り、テキストとしてデジタルデータ化する(光学文字認識)技術です。OCR機能のあるアプリでは、画像やカメラで撮影した写真から文字を認識して読み取り、テキストデータを抽出できます。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社奥村組
技術本部 技術研究所
廣中 哲也(ひろなか てつや)
TEL:029-865-1744
FAX:029-865-1522
E-mail:tetsuya.hironaka@okumuragumi.jp