奥村記念館に盛り込まれた技術
古都奈良と調和するデザインとともに、安全性を高める免震技術、
快適な環境を提供する空調方式など、
これまでの歴史の中で培った技術を注ぎ込みました。
HARMONY
調 和
HARMONY
意匠設計および施工技術
奈良の街並みに溶け込む
"和"を演出する意匠設計
美しい古都の街並みとの調和を意識して
デザインしています。
打放しコンクリートの施工技術
従来の本実型枠による打放しをしのぐ繊細な表現を実現するために、幅35~60㎜、厚12、15㎜の杉板をベニヤ板に打ちつけたものを型枠として採用。試行を重ね、杉板の管理(下処理・湿潤状況・断面形状)や、コンクリートの固さ、脱型のタイミング等に細心の注意を払いました。
旧奈良工事事務所の
記憶を受け継ぐ
当社の奈良における事業拠点として長年使用されてきた旧建物(奈良工事事務所)を建替え、当記念館は誕生しました。旧建物の梁や瓦などの再利用や樹木の保存により、その記憶を受け継いでいます。
当社の奈良における事業拠点として長年使用されてきた旧建物(奈良工事事務所)を建替え、当記念館は誕生しました。旧建物の梁や瓦などの再利用や樹木の保存により、その記憶を受け継いでいます。
SECURITY
安 心
SECURITY
免震等の構造設計
高減衰積層ゴム支承と
弾性すべり支承による免震構造
積層ゴム支承と弾性すべり支承を組み合せることにより、長周期免震を実現。比較的軽量な建物にも経済的に対応できます。高減衰積層ゴム支承は、ゴム自体で復元機能と減衰機能を発揮し、ダンパーを不要としています。
隣地境界近接部の
基礎梁なし構法
近接した隣地建物への影響を回避し、土留め・掘削作業の削減とコストダウンを図るため、隣地境界部分を基礎梁のない構造としました。地震時の杭頭部における回転力対策として最小限の基礎梁を設置しています。
跳ね出し構造による
免震ピットのコンパクト化
免震ピット範囲をコンパクトにし、コスト低減を図りました。これに伴い一部を跳ね出し構造としています。屋根庇部までの跳ね出し長さは6mあるので、跳ね出し部の重量軽減とたわみ抑制を図り、屋根架構をS造にしたRC柱との混合構造を採用しました。
EG定着板工法による
RC柱とS染との接合
鉄筋端部のネジに円形定着板を手で締め込むだけで、グラウト注入などが不要な鉄筋の定着工法「EG定着板工法」を採用しました。当建物では、アンカーボルトに適用し、幅の狭い柱への施工性を高めています。柱梁接合部の納まりをよくするとともに、施工が簡易かつ低コストです。
納まりの工夫
免震と非免震範囲が取り合う床面や手すりの納まりを意匠的に工夫。すっきりとした仕上げとしています。
COMFORT
快 適
COMFORT
設備設計
効果的な空調方式
1階は、置換空調とパッシブリズミング空調方式を採用し、省エネルギー、快適性に配慮しています。特に吹抜部分は、冷房時、暖房時の気流方向を切り替えることによって、静かで人に優しい空調を実現。2階事務所の空調方式は、天井吹出と床吹出を併用することで、快適性を高めています。熱源は、深夜電力利用の氷蓄熱ビルマルチ方式を採用。また、これによってキュービクル設置が不要な低圧受電方式を可能にしました。空調用の吹出口などは、室内から見えないように、意匠面の配慮をするとともに、気流解析技術を活用し、適切な温度分布を得られるように計画しています。
地下設備機械室の騒音対策
騒音対策とデザインに留意して、氷蓄熱槽・室外機を書庫下の地下機械室に設置しています。また、機械騒音対策として、騒音予測計画技術によるシミュレーションを実施し、空気取入口、排気口の位置、大きさを決定しました。