
ハニカムセグメントとは、シールドトンネルの急速施工を狙いに開発されたわが国で初めての六角形のセグメントです。「全ピース同一形状」、「トンネル覆工内面が平滑」など従来にはない特長を備えており、組立後の形態が蜂の巣状であることから「ハニカム(honey-comb)セグメント」と呼ばれています。
その六角形の特長を活かして、シールド機の掘進とセグメント組立を併行して行う「同時施工法」が「第3回国土技術開発賞最優秀賞」を受賞(国土交通大臣表彰)しました。セグメントの搬送や組立について、全自動化あるいは遠隔操作により半自動化した同時施工法も可能で、従来の工法に比べ大幅な施工サイクルタイムの短縮を実現したのです。
「セグメントは矩形(長方形)なり」という固定化した概念を打破した「ハニカムセグメント」は、開発を始めた昭和63年から実用化に至るまでに丸6年、同時施工の実用化には10年の月日を要しました。セグメントを六角形状としたため、従来の施工や設計の考え方を踏襲することができず、その妥当性を検証するために各種の実大試験を数多く実施する必要がありました。
以降、ハニカムセグメントは下水道トンネルや鉄道トンネルなどで実績を重ねています。現在、東京の大型プロジェクトである首都高速中央環状線工事(SJ51〜53工区)に採用、セグメント外径11.8メートルは過去最大のものです。