株式会社奥村組は、建設現場に運搬された普通コンクリートに分離抵抗性を有する高流動化剤を添加して製造する「奥村式現場添加型高流動化コンクリート」を開発し、この度(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明 第16-16号)を取得しました。
【背景】
近年のコンクリート構造物は、形状が複雑な部材や配筋が密な部材が増えつつあるほか、免震建物の普及に伴い免震装置のプレート下部に対するコンクリートの充填管理が求められていることから、流動性・充填性の高いコンクリートのニーズが高まっています。従来は、流動性および分離抵抗性に優れた高強度コンクリートを使用することが多かったのですが、高強度コンクリートは製造できる生コン工場が限定され供給できる地域が制限されることや、必要以上にセメント量が多くセメント水和熱によるひび割れ発生リスクが高まることが問題として挙げられていました。
【概 要・特 長】
本技術は、トラックアジテータで運搬された普通コンクリートに建設現場で分離抵抗性を有する高流動化剤を添加、ドラムを回転・撹拌することによりスランプフロー55cmまで流動性を高めるもので、建設現場で容易に製造できることから地域を選ばずに供給することができ、また高強度コンクリートに比べセメント量が少ないためセメント水和熱によるひび割れが抑制できます。さらに、一般的に建設現場でコンクリートに添加剤を加える場合には、ドラムを高速回転して撹拌しますが、ドラムの回転速度を高速回転の1/2〜2/3に抑えても安定した流動性を確保(特許出願済)できることから、トラックアジテータから発生する騒音も低減できます。
建築技術性能証明の取得を機に、地域を選ばずに供給できる流動性・充填性の高いコンクリートとして、コンクリートの充填管理が求められる構造物の新築工事や工事量が増えつつある改修工事に幅広く適用し、特に周辺環境に配慮が必要である市街地での工事において積極的に提案していきます。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組
技術研究所 建築研究グループ
河野
Tel. 029-865-1837 |
<参考例> |
|
 |
|