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ニュースリリース

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鉄バクテリア汚泥を利用した重金属不溶化材を開発
高い不溶化性能とコストダウンを実現〜

株式会社奥村組と株式会社日本海水は、従来から廃棄物として処分されてきた鉄バクテリア汚泥を利用した重金属不溶化材を共同開発し、この度、自治体発注のシールド工事における立坑掘削で発生した自然由来のヒ素含有土壌の不溶化処理に適用のうえ、その高い不溶化性能を実証しました。

【背景】
わが国には自然由来のヒ素や鉛などの重金属を含む土壌が広く分布しており、近年、鉄道や道路整備を目的とした大規模・大深度地下工事が盛んに行われていることから、大量の重金属含有土壌に遭遇する機会が増加しています。この土壌に含まれる有害な重金属が地下水等に溶出し広範囲に拡散することを抑制する技術の一つに、重金属を吸着する性質を持つ微細な鉄分を主成分とする「不溶化材」を土壌に混合する方法(不溶化処理)がありますが、対象土壌の処理量によっては不溶化材が大量に必要となることから、主成分である微細な鉄分の精製などコストの面で課題がありました。

【材料の特長】
今回開発した重金属不溶化材は、浄水施設の処理過程で水中に含まれる鉄分を微生物を用いて除去する際に発生する鉄バクテリア汚泥(副産物)を乾燥・破砕して主成分としたものです(写真1)。鉄バクテリア汚泥には重金属を吸着する効果のある微細な水酸化鉄が多く含まれており、これを廃棄物として処分せず有効活用することで、一般的に使用されている不溶化材と比べて約25%のコストダウンが図れます。また、ヒ素溶出量が環境基準値(0.01mg/L)の約5倍となる土壌からのヒ素溶出量を環境基準値以下に低減する性能があることを室内試験で確認しています。

【実工事への適用】
当社施工のシールド工事における立坑掘削で発生したヒ素含有土壌の不溶化処理に本材を適用した結果(図1)、約1,000m3の対象土壌のヒ素溶出量を環境基準値以下に低減することができました。また、対象土は性状改良のためのセメント系固化材を添加していましたが、一般的にヒ素溶出量が増加するといわれているアルカリ性の環境下でも安定した性能を発揮することを確認しました。

今後、自然由来の重金属含有土壌の発生が懸念されているトンネル等の地下工事において、環境負荷低減を考慮した合理的かつ経済性に優れた不溶化処理技術として、本技術を積極的に提案していきます。

以 上
   
【お問い合わせ先】
 株式会社奥村組
 土木本部 土木統括部 環境技術室
 小河
  Tel .06-6625-3764

     
写真1 不溶化材の外観
 

写真1 不溶化材の外観

 
 
図1 不溶化処理システム概要図
 

図1 不溶化処理システム概要図

 
 





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