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柱の耐震補強技術「普通鉄筋スパイラル巻立工法」を開発
〜 コストダウンと適用範囲の拡大を実現 〜

株式会社奥村組は、柱の耐震補強工事において数多くの実績を持つ当社の保有技術「スパイラル筋巻立工法」を改良した「普通鉄筋スパイラル巻立工法」を開発し、コストダウンと適用範囲の拡大を実現しました。

【背 景】
平成7年の兵庫県南部地震以降、橋脚および高架橋の柱等を対象にせん断耐力の向上を目的とした耐震補強工法が数多く開発、実用化されています。奥村組では、平成8年に「スパイラル筋巻立工法」を開発し、鉄道高架橋を中心にこれまで3,000本を超える柱に適用してきました。
従来の「スパイラル筋巻立工法」は、長尺の高張力鉄筋(靭性の高い特殊な鉄筋)をあらかじめらせん(・・・)状に加工し、連続的に柱外周に巻きつけていくのが特徴ですが、さらなるコストダウン、適用範囲の拡大を図るべく、鉄筋の加工形状を工夫することで、一般的な鉄筋でも柱外周にらせん(・・・)状に組み上げることが可能な「普通鉄筋スパイラル巻立工法」を開発しました。

【概 要】
1.構造と施工手順
本工法では、これまでの長尺の高張力鉄筋の替わりにコの字状(写真−1)に加工した普通鉄筋を一段ずつ、らせん(・・・)状に組み上げます(図−1、写真−2、3)。鉄筋の接続はフレア溶接を行い(写真−4)、その後はこれまでどおり柱の外周にモルタルを吹き付け、コテ仕上げを行い施工(補強)完了となります。なお、“コ”の字状に加工した鉄筋の一端を折り曲げ、鉄筋同士の継ぎ手(接続)部としたことで、柱全体を通して、継ぎ手部が四辺に分散し、鉄筋の間隔が狭くなりすぎる箇所もなくなり、スムーズにモルタルを吹き付けることができます(特許出願中)。

2.耐震性能の確認
公益財団法人鉄道総合技術研究所の指導のもと、実大規模の試験体(断面寸法800mm×800mm、高さ3,000mm)を作製し、正負交番載荷試験を実施した結果(写真−5、6)、従来のスパイラル筋巻立工法と同等の耐力と変形性能を有していることを確認しました。

【特 長】
1.コストダウンの実現
高張力鉄筋に比べ、安く調達できる普通鉄筋で施工できるという面だけでなく、従来と比べ、鉄筋の継ぎ手(接続)部に要する長さも大幅に減少させた(従来は重ね継ぎ手に柱2巻き分を要した)ことにより、材料費、加工費が低減し、鉄筋組立工事で約30%、補強工事全体でも約5%のコストダウンを図りました。

2.適用範囲の拡大
これまで、高張力鉄筋では曲げ角度の制限等から適用が困難であった台形や菱形といった鋭角部を有する柱に対しても、今回、普通鉄筋を使用することで適用できるようになりました。
また、鉄筋は1段(“コ”の字状:柱外周に対して3/4巻き)ずつに分割されているため、施工性が向上するだけでなく、狭い作業スペースしか確保できない柱や大断面の柱に対しても適用できるようになりました。

今後は、これまでの実績に加え、コストダウンならびに適用範囲を拡大した本技術の提案活動を推進していきます。

以 上
   
【お問い合わせ先】
 株式会社奥村組
  東日本支社 環境技術部
  山口  Tel .03-5427-8038

図−1 普通鉄筋スパイラル巻立工法の概略説明図
 
 
 
 
写真−1 普通鉄筋の加工形状   写真−2 普通鉄筋の差込み状況
     
 
写真−3 普通鉄筋の組付け状況   写真−4 フレア溶接接合状況
 
 
 

写真−5 正負交番載荷試験状況(1)

 
 

写真−6 正負交番載荷試験状況(2)

 
 

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