奥村組 to Homepage of English version
→SEARCH
ニュースリリース

←トップページへ

「シールド情報統合管理システム」が本格稼働
〜シールド工事における施工・品質管理の高度化ならびに維持管理の合理化を実現〜

弊社は、長年培ってきた経験を活かした『シールド情報統合管理システム』を開発し、農林水産省北陸農政局発注の農業水利事業のシールド工事に導入しました。
当システムは、シールド工事における掘進管理・測量管理システムを核に、各種の管理項目を一元化することにより、シールド工事における施工・品質管理の高度化ならびに維持管理の合理化を実現するものです。

【開発の背景】
シールド工事における施工管理項目は多岐にわたっており、従来は、施工に伴う機械データや出来形データなどを、掘進管理と測量管理を行うパソコンに取込んだうえで、個別の管理システム、表計算ソフトあるいは紙の帳票などで管理、記録をしていました。
一方、近年では、構造物建設時のコストを抑えるだけでなく、供用期間中の維持管理費を含めたライフサイクルコストを縮減する技術が求められており、より高度な施工管理と品質管理を迅速かつ効率的に行うことが必要とされます。これを実現するためには、構造物の維持管理の際に有効となる施工時の資材受入検査結果やセグメントの製造・組立位置情報などを、一元管理するシステムが有用となります。

【システムの概要】
今回開発した「シールド情報統合管理システム」は、既存の掘進管理・測量管理システムを核として、各要素システム(@セグメント情報管理、A資材管理、B受入検査管理、C路面変状管理、D写真管理)と連係させることにより、施工・品質管理および維持管理に有効な情報を提供するシステムです(図−1)。

核となる掘進管理・測量管理システムは、以下の役割を担っています。
a.掘進管理システムは、各種の掘進データをリアルタイムに収集、表示、出力します。
b.測量管理システムは、シールド機の測量結果の整理を行い、線形管理を行います。
c.両システムからシールド機の位置情報と施工の進捗を各要素システムに受け渡します。

各要素システムの概要と特徴は以下の通りです。なお、各要素システムは工事規模などに応じて適宜選択して適用することが可能です。
(1)セグメント情報管理システム(図−2)
・製造、出荷、組立などの製品履歴情報、受入検査、工程内検査などの品質管理情報をセグメントごとにデータベース化するシステムです。
・セグメントの品質記録、製造履歴に、組立位置や掘進管理結果を組み合わせた「トンネル情報シート」を作成し、電子納品することにより、構造物管理者は供用後のトレーサビリティを効率的、効果的に行うことができます。
(2)資材管理システム(図−3)
・掘進管理システムからセグメント、裏込め注入材料、配管材、レールなどの各資材の使用実績データを受け取り、発注管理・在庫管理を自動的に行うシステムです。
・発注警告や材料ストックの過不足防止警告機能を有します。
(3)受入検査管理システム(図−4)
・セグメントの受入時に、資材管理システムから入荷予定情報を携帯電話でメール受信し、表示される受入検査項目に従って検査を行い、入荷写真と検査結果を返信するシステムです。
・受入検査を効率的かつ確実に実施することが可能となり、未検査品や不合格品の使用も容易に防ぐことができます。
(4)路面変状管理システム(図−5)
・掘進管理・測量管理システムからシールド機の位置データを受け取り、自動で測定範囲を抽出し、ノンプリズムトータルステーションを用いて路面を計測するシステムです。
・計測結果を掘進管理・測量管理システムと同期させることにより、従来の手動による方法と比較して、シールド掘進中に直上の路面変状結果を迅速に把握できる高度な掘進管理を実現します。
(5)写真管理システム(図−6)
・施工サイクル写真の撮影項目をメモ機能付カメラに取り込み、写真管理を効率的に行うことができます。
・写真データに撮影項目に対応した固有情報を持たせることができるため、施工後も容易に写真データの検索および出力ができます。

【システムの特長】
「シールド情報統合管理システム」は従来の方法と比較して以下の特長を有しています。
@ 各種の管理項目を一元化することにより、トータルな施工管理が可能となります。
A IT技術を駆使することにより高品質な施工管理を実現します。
B 「トンネル情報シート」の活用により、本体構造物であるセグメントのトレーサビリティを迅速かつ効率的に実施することができ、供用開始後の品質、維持管理性能が向上します。
C 紙の帳票を削減することができます。

現在、「シールド情報統合管理システム」は順調に稼働しており、その効果を発揮しています。
今後は、全国のシールド工事に適用していくとともに、推進工事を始めとする他の施工分野にも水平展開を図っていく予定です。
  なお、本システムは株式会社 演算工房と共同開発したものです。

以 上
   
  【お問い合わせ先】
   株式会社奥村組
       東日本支社土木技術部
       木下  Tel .03-5427-8456
       西日本支社土木技術部
       中村  Tel .06-6625-3806
        

表−1 『シールド情報統合管理システム』導入現場の概要
事 業 者 農林水産省 北陸農政局
工事名称 九頭竜川下流(二期)農業水利事業 十郷2号用水路その5建設工事
工事場所 福井県坂井市坂井町若宮・宮領・長畑及び定旨地内 
施 工 者 株式会社 奥村組
工  期 2008年6月12日 〜2011年3月22日
主な工事内容

1)シールド工:泥土圧シールド工法(外径:φ4,680mm)
・掘進延長 1,766.7m
・セグメント 外径4,550mm、内径4,150mm、桁高200mm、幅1,200mm
2)二次覆工(鋼管布設、間詰め)
・施工延長 1,766.7m
3)立坑工
・発進立坑
・到達立坑

   
図−1 「シールド情報統合管理システム」の全体構成
   
   
図−2 「セグメント情報管理システム」のトンネル情報シート(例)
   

【概要】「トンネル情報シート」は、セグメント製造、出荷、組立などの製品履歴情報、受入検査、工程内検査などの品質管理情報をセグメントごとにデータベース化します。
・「トンネル情報シート」の図表の表示は必要に応じ選択・変更が可能です。
セグメントリングを選択すると、セグメント情報を表示できます。
受入確認をクリックすると、受入検査結果を参照できます。
【特長】供用後のトンネルのトレーサビリティを効率的、効果的に行うことができます。

   
   
 
図−3 「資材管理システム」の画面(例)
   
 

【概要】掘進管理システムからセグメント、裏込め注入材料、配管材、レールなどの各資材の使用実績データを受け取り、発注管理・在庫管理を自動的に行うシステムです。
【特長】発注警告や材料ストックの過不足防止警告機能を有します。

   
   
   
 
 
図−4 「受入検査管理システム」の入力状況
   
 

【概要】セグメントの受入時に、資材管理システムから入荷予定情報を携帯電話でメール受信し、表示される受入検査項目に従って検査を行い、入荷写真と検査結果を返信するシステムです。
【特長】受入検査を効率的かつ確実に実施することが可能となり、未検査品や不合格品の使用も容易に防ぐことができます。

   
   
   
 
図−5 「路面変状管理システム」の画面(例)
 

【概要】掘進管理・測量管理システムからシールド機の位置データを受け取り、自動で測定範囲を抽出し、ノンプリズムトータルステーションを用いて路面を計測するシステムです。
【特長】計測結果を掘進管理・測量管理システムと同期させることにより、シールド掘進中に直上の路面変状結果を迅速に把握できる高度な掘進管理を実現します。
管理値を設定(2段階)でき、警告表示を出します。

   
   
   
 
 
図−6 「写真管理システム」の画面
   
 

【概要】施工サイクル写真の撮影項目をメモ機能付カメラに取り込み、写真管理を効率的に行うことができます。
【特長】写真データに撮影項目に対応した固有情報を持たせることができるため、施工後も容易に写真データの検索・出力ができます。
「撮影済みチェックマーク」により撮影の重複、取り忘れを防止できます。

   
   




ニュースリリースト一覧へ ページトップへ
トップページへ  


会社案内
技術に関する情報
土木技術
建築技術
環境技術
CSR/社会・環境
実績集
施工実績集
建築設計作品集
採用情報
投資家の皆様へ
お問い合わせ サイトマップ サイトポリシー 個人情報保護ポリシー 情報セキュリティポリシー リンク一覧 奥村組協力会
COPYRIGHT2004 OKUMURA CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.