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新設コンクリート構造物品質保証システムを開発
〜打設支援システムと非破壊検査を適用して品質の高い構造物の施工体制を構築〜

株式会社奥村組は、主に土木構造物を対象とした新設コンクリート構造物の品質保証システムを開発し、実施工において有効に機能する体制を構築しました。
コンクリート構造物では、施工に起因する初期欠陥(空洞、ジャンカ、ひび割れ等)が問題視されており、これが長期の品質を損なう原因と認識されています。
従来、コンクリート標準示方書、共通施工仕様書などに示されている製造および施工の詳細な管理項目を守ることで施工品質を保証していますが、奥村組ではそれらに加え、広い範囲の情報共有、頻度の高いデータ収集とチェック過程、全工程の中でのフィードバック機能を備えた、独自の高度な品質保証システムにより信頼性の高いコンクリート構造物の構築を図ります。

今回開発したシステムの特長は以下のとおりです。
@ 個々の構造物の特性に注意しながら、「施工前、施工段階、施工後」の段階ごとに品質チェック過程を設けており、それぞれの対策を組み合わせることによって、長期の性能確保が可能となる。
A コンクリートの製造および施工において「開始から終了まで」品質管理と記録を行い、構造物の品質を損なう欠陥が無いことを保証する。管理試験は打設ブロック移動時に実施することで頻度を増やす。
B 各ブロックにおけるコンクリート打設後のすみやかな品質保証のために開発した「非破壊検査システム」によって、欠陥のないことを保証する。万一、不具合があった場合は、原因を追究することで次の打設にフィードバックし、欠陥の連鎖を抑止する。
C 各段階で収集したデータは現場事務所に設置したサーバに集約し、インターネット回線を通じて発注者、本社専門技術者と共有する。担当する本社技術者はリアルタイムで、品質向上のためのアドバイスを行う。
D 全データを保存するとともに、定型の帳票に加工して出力することによって、これまでに比べて処理時間を大幅に短縮できる。

 本システムの要素技術は、現場に適用して性能と効果を確認しました。今後は、適用現場を拡大するとともに、積極的に品質保証を行うことによって、新設する構造物の高い信頼性確保に貢献していきます。

各段階の具体的な実施内容
(1)施工前の照査による保証
  新設コンクリート構造物の築造に対し、耐久性の性能照査を行います。複合劣化(中性化、塩害、硫酸劣化)を取り扱うことができる独自の耐久性評価システムを用いていることが特長で、セメント種類、水セメント比を含めた配合、鉄筋のかぶりなどを見直します。(図7)

(2)施工段階の照査による保証
  施工段階の品質管理として、次の管理システムを構築しています。 
@ 運行管理システム:ICタグを用いた生コン車の運行管理により、コンクリートの混練された時間、現場到着時間、打設時間を管理および記録します。打重ね時間を管理するとともに、警告によって生コンの出荷管理、打設順序の変更を指示し、コールドジョイントを防止します。また、打設状況を管理パソコンで一元管理するとともに、監督員のパソコン端末にも情報を送り、計画との相違をリアルタイムでチェックします。(図5)
A 品質管理システム:コンクリートの品質確認と記録を行います。打設ブロックの打重ねレイヤー単位、スラブ単位などの管理単位を設定し、スランプ、空気量、単位水量、コンクリート温度の測定情報を監督員が常に把握し、ワーカビリティー不足のコンクリート打設を排除することでジャンカなどを防止するとともに打設位置と、その記録を残します。また、打設作業のカメラ映像と型枠打設高さセンサーで、打設責任者の判断をサポートし、締固め不足などによるコンクリートの欠陥防止を行ないます。トンネル二次覆工のように脱型時間が重要とされる構造物においては、温度センサーによるコンクリート温度管理を行い、積算温度による強度・養生管理にフィードバックします。(図1〜図4)

(3)施工後の照査による保証
  施工後の品質管理として、次の検査システムを構築しています。 
@非破壊検査システム:コンクリート構造物の非破壊検査による欠陥(空洞、ジャンカ、ひび割れ等)の有無および強度を、ブロックごとの施工中に管理し、次ステップの施工にフィードバックするとともに、構造物の健全度を記録します。以下に非破壊の手法を示します。
  a.赤外線画像と実体画像の重ね合わせによる欠陥探査:表面部の空洞、ジャンカ、ひび割れ
  b.マイクロフォン計測による打音データを用いた欠陥探査:内部の空洞、ジャンカ
  c.超音波トモグラフィーを用いた欠陥の2次元的な探査:深部の空洞、ジャンカ、ひび割れ深さ
  d.広帯域超音波を用いた詳細な欠陥位置の探査技術(潟Gッチアンドビーシステムとの共同開発):深部の空洞、ジャンカ、ひび割れ深さ、鉄筋径、鉄筋のかぶり
   これで得られた情報をパソコン画面上で重ね合わせ、検査システムの精度を高めています。
A鉄筋検査システム:コンクリート打設後に、鉄筋のかぶりを非破壊検査で測定して統計処理し、かぶりの施工精度を確認します。標準偏差の蓄積データから信頼度と誤差範囲を設定し、必要最小限のサンプル数から正規分布形状を求めて、設計かぶりと打設後のかぶりを比較します。その結果が、許容範囲におさまっていても、次ステップでは、さらに精度を高める施工を実施し、かぶりの確保を定量的に保証するシステムとしています。(図6)

以 上

  【お問い合わせ先】
  株式会社奥村組
  技術本部技術研究所
     東  Tel . 029-865-1521
        



打設支援システム
 
図−1 品質管理システム(打設領域のブロック分けと打設のリアルタイム管理)


図−2 品質管理システム(打設ブロックごとの計画打設量と実績数量のリアルタイム管理)


図−3 品質管理システム(打設状況と生コン車ごとの積載コンクリート量と出荷・荷卸管理)




図−4 品質管理システム(コンクリートの混練からの経過時間、荷卸時の性状の情報、打設の進捗)



データ入力のフロー
 
 
図−5 運行管理システム(コンクリートの出荷、荷卸、打設情報の管理、 ICタグによる運行管理、打設責任者への情報集中と指示)



鉄筋検査システム
 
図−6 鉄筋検査システム(鉄筋かぶりの探査データの正規分布表示) 耐久性診断プログラム




耐久性診断プログラム
 


診断プログラムのパソコン表示画面
 
図−7 耐久性診断システム(水セメント比と中性化の進展)

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