株式会社奥村組は、Mクラス再生骨材を使用した再生骨材コンクリートを、共同住宅(横浜市)と事務所ビル(兵庫県西宮市)の2つの実物件に適用しました(共同住宅には計1,066m3、事務所ビルには計380m3を使用)。
Mクラス再生骨材を使用した再生骨材コンクリートは、関東地区においては奥村組と生コン工場5社が共同で国土交通大臣認定を取得し、首都圏広域に再生骨材コンクリートを供給できる体制を構築しています。関西地区でも、西宮エリアを供給範囲としたHおよびMクラス再生骨材を使用した再生骨材コンクリートの国土交通大臣認定を取得しています。
共同住宅はRC造5階建て(建築面積895.1u、延床面積2,937.47u)で、場所打ち杭(杭径700〜1200mm、杭長11.5〜13.8m)29本のうち23本(395m3)にMクラス再生粗骨材を用いた再生粗骨材コンクリートを、他の6本(55m3)には細骨材にもMクラス再生細骨材を用い全ての骨材を再生材とした再生細粗骨材コンクリートを使用しました。また、基礎スラブ・フーチング(616m3)には、再生粗骨材コンクリートを使用しました。
再生骨材は、東京都町田市にある武蔵野土木工業鰍ナ、再生骨材コンクリートは、横浜市にある関東宇部コンクリート工業叶_奈川工場でそれぞれ製造し、現場に供給しました。
事務所ビルは鉄骨造8階建て(建築面積762.78u、延床面積5,832.47u)で、捨てコン(30m3)に再生細骨材コンクリートおよび再生粗骨材コンクリートを、基礎スラブ・フーチング・基礎梁(350m3)に再生粗骨材コンクリートを使用。また、上部スラブ(150m3)の一部には、Hクラス再生粗骨材を用いた再生骨材コンクリートを使用しました。
再生骨材は大阪府枚方市にある葛梵ッで、再生骨材コンクリートは兵庫県伊丹市にある滑ヨ西宇部伊丹工場でそれぞれ製造し、現場に供給しました。
両物件ともに再生骨材は、不特定の解体コンクリート塊を使用したものですが、アルカリシリカ骨材反応の抑制対策と、塩化物量に注意した品質管理方法を定めています。
アルカリシリカ骨材反応の抑制対策として、高炉セメントB種を標準仕様とし、さらにコンクリートのアルカリシリカ反応性迅速試験方法によって無害を確認しています。また、塩化物量については、再生骨材に付着しているモルタルを含んだ全塩分測定試験を実施、所定の塩化物イオン量以下であることを確認するとともに、モルタル中の固定化された塩分量を考慮した管理値を定めています。
今回の2物件で、場所打ち杭および基礎部分に適用し、フレッシュコンクリートの性状、圧縮強度の発現状況、施工性ともに良好な結果を得ました。これによって、Mクラス再生骨材を使用したコンクリートが、通常のコンクリートと同様、構造体にも適用できることが確認できました。
今後、本実績を基に、再生骨材コンクリートの適用を拡大するとともに、リサイクル推進に積極的に貢献していきます。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組
技術本部技術研究所
建築生産グループ
河野 Tel . 029-865-1837
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【再生骨材コンクリートの建物への適用】
○共同住宅での適用例
・名称:横浜日野社宅新築工事
・場所:神奈川県横浜市港南区日野5-18-13
・工期:平成18年11月 1日〜平成19年 7月31日
・構造・規模:壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造5F(基礎免震)
高さ 14.35 m、建築面積 895.1 u、延床面積 2,937.47 u
・レミコン工場:関東宇部コンクリート工業叶_奈川工場(横浜市都筑区川向町739)
・再生骨材プラント:武蔵野土木工業梶i町田市小野路町3343)
・再生骨材コンクリートの種類と適用部位:下表
○事務所ビルでの適用例
・名称:(仮称)西宮奥村ビル計画
・場所:兵庫県西宮市高松町3-22
・工期:平成18年11月 1日〜平成19年 9月30日
・構造・規模:鉄骨造8F、高さ32.45m
建築面積762.78u、延床面積5832.47u
・レミコン工場:潟Vンワ生コン伊丹工場(伊丹市西野1-8)
・再生骨材プラント:葛梵ッ(枚方市尊延寺965)
・再生骨材コンクリートの種類と適用部位:下表
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