株式会社奥村組は、北海道内で初めて煙突解体工事に『塔状構造物解体システム』を適用し、遠隔操作による機械化施工で安全かつ迅速に、煙突の耐火レンガと鉄筋コンクリートを分別解体しました。
本システムを適用したのは、北海道室蘭市の新日本製鐵株式会社室蘭製鐵所構内にある鉄筋コンクリート造の煙突で、高さ50mが1本、同55mが2本の計3本です。平成19年9月に50mを1本、同12月に55mを2本解体しました。いずれの煙突も供用中の施設等に近接しているため、防護工を確実に行うなど、周辺の安全を確保しながら慎重かつ短期に、作業を進めました。
『塔状構造物解体システム』は煙突内部の状況を正確に把握できる「煙突探査システム」、遠隔操作により耐火レンガを迅速に解体できる「レンガ分別解体工法」、遠隔操作により塔状構造物を迅速に解体できる「NOCC工法(※)」等から構成されます。
※NOCC工法・・・Nippon Steel Corporation& Okumura Corporation Concrete Structure Crushing Method の略。新日本製鐵鰍ニの共同開発
本システムの技術概要は以下のとおりです。
◇煙突探査システム
煙突探査システムは、探査機本体に取り付けたカメラの画像等により、煙突内部の状況を把握するものです。探査機の高さや方位のセンサーによる撮影画像の位置情報を記録できるとともに、煙突内部の状況を正確に把握できるので、補修や解体方法の検討において合理的な計画が可能となります。
◇レンガ分別解体工法
建設リサイクル法によって、コンクリート等の特定建設資材の分別解体が義務付けられています。レンガ分別解体工法は、クレーンで吊り下げられたレンガ解体機を無線遠隔操作でコントロールし、煙突内側の耐火レンガを分別解体するもので、
@ 作業足場および人力解体が不要で安全性が高い。
A 2種類の解体機構によるレンガ解体状況をモニター画面で確認しながら操作することにより効率的な解体が可能で工期の短縮が図れる。
などの特長があります。
◇NOCC工法
NOCC工法(Nippon Steel Corporation& Okumura Corporation Concrete Structure Crushing Method)は新日本製鐵株式会社と共同開発した技術です。クレーンで吊り下げられた油圧圧砕機を無線遠隔操作でコントロールし、構造物の上部から鉄筋コンクリートを順次圧砕し、解体する工法です。
@ 作業足場および人力解体が不要で安全性が高い
A コンクリート圧砕状況をモニター画面で確認しながら操作することにより効率的な解体が可能で工期の短縮が図れる
B 圧砕方式のため解体時の振動・騒音が軽減される
などの特長があります。
NOCC工法による搭状構造物の解体実績は、総延長で2,500mを超えました。また、周辺環境保全に配慮した粉塵飛散抑制技術も開発を進めています。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組
環境プロジェクト部
岡崎
Tel . 03-5427-8431
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