鋼管柱と既製杭を直接接合した杭頭接合法を開発
〜「ダイレクトシーピー構法」が日本建築センターの基礎構造評定を取得〜
株式会社奥村組は、鋼管柱と既製杭を直接接合した杭頭接合法「ダイレクトシーピー構法」を開発し、2004年4月23日付で(財)日本建築センターの基礎構造一般評定(評定番号BCJ評定-FD0158−01)を取得しました。
本構法は、「鋼管柱(Column)」を「既製コンクリート杭(Pile)」の上部の鋼管コンクリート部に直接(Direct)埋込み、両者を一体化して1柱1杭で建物を支持する構法です。「既製コンクリート杭」とその上部の「杭鋼管」は、既製コンクリート杭の製作工場で接合した後、埋込み杭工法で地中に埋設します。杭を埋設後、「鋼管柱(角型鋼管)」を通り芯上の規定の高さに設置し、充填コンクリートによって接合部を一体化させます。(図−1参照)
本構法を適用する場合には、上部構造、杭および地盤を一体とした詳細な解析を行い設計します。
本構法の特長は以下のとおりです。
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基礎梁・フーチングを無くした設計が可能となり、土工事や型枠および鉄筋工事を減らすことで、基礎工事のコストダウンを図れます。(図−2参照)
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杭基礎建物において、従来の工法に比べ工期短縮が可能です。
B
掘削工事に伴う残土などの産業廃棄物を削減し、環境負荷を低減します。
また、適用範囲は以下のとおりです。
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地階が無く、階数が5階建程度以下の建物
A
上部構造が鋼管柱で、下部構造が既製コンクリート杭の建物
B
両方向とも純ラーメン構造の柱
具体的には、鉄骨造のショッピングセンターや低層の事務所建築等があげられます。
本構法は、既製杭が外径φ450mm〜φ1200mm、鋼管柱(角型鋼管)が□150 mm〜□650mmの範囲の組み合わせで使用することができます。(表−1参照)
今回の(財)日本建築センターの基礎構造一般評定取得により、実物件へ積極的に適用し、建築工事の一層の合理化を進めるとともに、環境へも配慮した施工を行っていきます。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組 関西支社建築設計部
武田 Tel .06-6625-3781
図−1 ダイレクトシーピー構法の構成
図−2 ダイレクトシーピー構法の適用イメージ
表−1 鋼管径・柱サイズの関係