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シールドトンネル相互の斜め接合工法を開発
〜既設下水道管に地中内で斜め接合可能な『分割フード式シールド接合工法』〜

株式会社奥村組と奥村機械製作株式会社は、下水道シールドトンネルを地中内で斜めに接合することができる『分割フード式シールド接合工法』を共同開発しました。

【開発経緯】
下水道シールドトンネルに流入管などを地中内で接合する場合、浅深度では接合箇所近傍に立坑を築造し、地盤改良後に接合する施工法が一般的ですが、立坑設置が困難な場合や大深度の場合は、トンネル坑内から凍結工法や大規模な地盤改良を実施しているのが現状です。
最近はシールド機で直接接合する工法も開発され実用化されつつありますが、それらの工法は直角接合が基本であり、斜め接合では大規模な地盤改良などの補助工法に依らざるを得ないことから、新たな技術開発が期待されていました。
 今回開発した『分割フード式シールド接合工法』は、シールド機先端部に掘削機構付きの多分割フードを装備した"分割フード式シールド機"を用い、従来は困難であった斜め地中接合を可能とする工法です。

【用 途】
雨水管路や共同溝等における、二次覆工のないシールドトンネルの分岐および接合部

【特 長】
1.斜め接合(最大112.5°=直角90°+22.5°)、非管芯接合に対応できる
2.小口径、大きな開口率に対応できる
・接合用シールド機の適用最小外径は2,680mm(仕上り内径2,000程度)
・開口率(接合用シールド機外径/本線トンネル径)は最大80%
3.本線の開口部補強の簡素化が図れる
・二次覆工省略を前提に、従来の本線開口補強に替えて、開口部鋼製セグメントの主桁およびスキンプレートを補強することにより対応可能であることを三次元FEM解析で確認
4.従来の凍結工法に比べ、大幅なコストダウン、工期短縮が図れる

【工法概要】
施工手順は以下のとおりです(別紙 図−1、図−2参照)。
ステップ@:シールド機を所定の位置まで掘進する。
ステップA:カッターヘッド伸縮用スポークを収納してシールドジャッキ等の機器類を解体し、分割フードにロータリシリンダおよび押出しジャッキを設置する。
ステップB:本管との離隔の小さい箇所の分割フードからウォータジェット併用で本管セグメントまで圧入し、分割フード先端部より薬液注入を行い、本管との接続部の止水を行う。その後、隣接する分割フードの圧入を順次行う。
・1ストローク(500mm)押出し後、延長推進管を継ぎ足し圧入する。
・分割フード部を残置し、ロータリシリンダ部を回収する。
ステップC:全分割フードについて圧入を繰り返す。
・ロータリシリンダおよび押出しジャッキは転用する。
分割フード全数の施工後、分割フード式シールド機側からカッター部解体、地山掘削および本線セグメントの開口を行います。
隣接する分割フードを噛合せ構造とすることによって、フード部全体を一体化して地山の支保および止水を行います。また、分割フードの掘削機構は先端部より高圧水を噴射する機構を採用しています。噴射ロッドの回転はロータリシリンダ方式(別紙 図−3参照)を採用し、駆動装置を省くことにより適用シールド径の小口径化を可能としました。

通常、本線トンネル開口部は開口箇所を含め本線トンネルの軸方向に、開口径の3倍程度にわたり鋼製セグメントを設置します。また、開口箇所は、鋼材で井桁(補強梁、補強柱)に開口補強し、さらに補強箇所およびそのトンネル軸方向の前後数リングに補強リング(C形リング)を設置するのが一般的です(別紙 写真−1参照)。しかし、この方法では二次覆工の施工が前提となり二次覆工省略では補強鋼材が内空断面を侵すため、下水道トンネルでは流下性能に問題が生じます。
本工法では、本管の二次覆工省略を考慮して、開口部の鋼製セグメントの主桁およびスキンプレートを補強することによって、十分な補強効果を期待できることを三次元有限要素法により確認しています。

本工法を用い、接合深度20〜30mにおいて外径φ3,800mmの本線トンネルに対して外径3,090mmの接合用シールド機が接合する場合、補助工法として凍結工法を用いた施工や立坑を築造して地盤改良を実施する従来工法と比較して、地中接合に係わる施工費を約50〜70%に抑えることができます。


今後、奥村組は『分割フード式シールド接合工法』のコストダウンと、施工性の向上を目指すとともに、積極的に技術提案を行っていきます。

以 上
   
  【お問い合わせ先】
   株式会社奥村組 
   技術本部土木部
   福居   Tel .03-5427-8472



図−1 『分割フード式シールド接合工法』による地中斜め接合の施工手順図




図−2 分割フード部詳細図




図−3 ロータリシリンダの原理図



写真−1 従来の本線接合部開口補強例(二次覆工あり)

 


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