株式会社奥村組は、煙突の分別解体工事用として「煙突内耐火煉瓦解体機」の実証試験を行いその性能を確認しました。
煙突解体にあたっては「建設リサイクル法」や「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、煙突の内側にある"耐火煉瓦"とその主構造である"コンクリート"を分別する必要があります。
この状況をふまえ、奥村組はまず内側の耐火煉瓦を分別解体できる機械の開発に取り組んでいましたが、このたび福岡県北九州市新日本製鐵戸畑構内での煙突解体工事(H=55m 煉瓦内径Φ2,200o〜Φ3,078o 2本)で実証試験を行い、その性能を確認しました。
実証試験の成果としては、
@ 解体機構の確認
本解体機は楔機構(楔フレーム 写真-1参照)と圧入機構(ツースフレーム 写真-1参照)の2つの解体機構を有しています。実証試験では、これらの解体機構は予定通りの動きをし、煙突内煉瓦のみを効率よく分別解体できることを確認しました(写真-2〜4参照)。特に、ツースフレームを用いた圧入機構によって解体効率がアップすることが特長です。
A 全機械化施工の確認
解体足場や人力をまったく必要とせず、すべて地上からの遠隔操作で煉瓦解体を行う全機械化施工が可能であることを確認しました。パソコン画面の映像は、解体に伴う粉塵の影響も少なく鮮明であり、この映像を見ながら、オペレーターの操作やクレーン運転手への指示ができ、容易に解体が可能です(写真-5参照)。
B 施工速度の把握
Φ3500mm程度の煙突では高さ15m/日の解体が可能です。
本機械の開発によって、NOCC工法(新日本製鐵鰍ニの共同開発による塔状コンクリート構造物解体工法)と組み合わせた煙突解体のトータルシステムが完成され、耐火煉瓦およびコンクリートを同じ設備で解体することができます。今後は、焼却施設解体工事を中心とした煙突解体工事の受注活動を積極的に展開していきます。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組 東京支社環境プロジェクト部
埜本 Tel .03-5427-8543
株式会社奥村組 九州支店土木部
古長 Tel .093-671-8875 |

写真1 煙突解体機全景

写真2 煉瓦解体状況(1)

写真3 煉瓦解体状況(2)

写真4 煉瓦解体状況(3)

写真5 煉瓦解体状況(4)

写真6 操作用パソコン画面
|