『煙突内煉瓦解体機』を開発
〜焼却施設の耐火煉瓦の分別解体が可能に〜
株式会社奥村組は、煙突の分別解体工事用として「煙突内耐火煉瓦解体機」を開発しました。
「ダイオキシン類対策特別措置法」が平成12年1月より施行され、焼却施設の排ガスに対して新たな環境基準が適用されています。従来の焼却施設の中にはその基準を満たすことができないものが多くあり、それらの施設は廃止あるいは休止せざるを得ないため、その解体が急がれています。
煙突は焼却施設に必ず設置されている設備ですが、他の構造物とちがって、筒状で高さがあるため、その解体方法については、安全性・施工性に優れた技術であるとともに、安価であることが求められています。また「建設リサイクル法」に基づき、煙突の内側にある"煉瓦"とその主構造である"コンクリート"を分別解体する必要があります。
この状況をふまえ、奥村組はまず内側の耐火煉瓦を分別解体できる機械の開発に取り組み、このたび標準タイプ機械の開発を完了しました。
本機の特長は以下のとおりです。
@足場および人力解体が不要
外部足場や煙突自体を利用した足場などを用いた人力による解体ではなく、クレーンを使って、すべて機械によ る施工ができます。解体機械に備えたテレビカメラの映像情報を無線LAN伝送により地上のディスプレイに表示 し、オペレーターはその映像を見ながら遠隔操作を行い、煉瓦を解体します。このため、作業の安全性確保とコ ストダウンを図ることができます。
A2種類の解体機能で工期短縮
本機には、煙突コンクリートと内側煉瓦との隙間に挿入し上方から下方に向けて解体を行う「楔フレーム」と、内 側煉瓦の内壁に向かって尖った先端刃部を突出できる「ツースアーム」が取り付けられています。解体の手順 は、@まず煙突コンクリートと内側煉瓦との隙間に楔フレームを挿入し、A次にツースアームを開いて内側煉瓦 の目地を破断、Bその後楔フレームを煙突内側に押し出して、煉瓦を下方に落とします。
このように2種類の解体機能を組み合わせることで、工期の短縮が可能です。
B搭状コンクリート解体工法(NOCC工法)と統合した煙突解体トータルシステム
奥村組は、新日本製鐵鰍ニの共同開発による塔状コンクリート構造物解体工法である「NOCC工法」による煙 突コンクリート解体工事において、多数の実績とノウハウを蓄積しています。この工法と本機を用いた解体工法 を組合せることによって、煙突分別解体のトータルシステムが構築されます。
「煙突内煉瓦解体機」には他工法にはないメリットがあり、数々の煙突解体工事においてその効果が発揮できるものと自負しております。今後は、本機を用いた焼却施設解体工事の受注活動を積極的に展開していきます。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組
東京支社環境プロジェクト部
埜本 Tel .03-5427-8543
写真-1 煙突解体機全景
写真-2 煙突解体機全景