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快適で安全な都市空間を創造する「とらい工法」
〜交差点立体交差化を3ヶ月間で実現〜

 株式会社栗本鐵工所・駒井鉄工株式会社と株式会社奧村組は、経済的および環境的側面から都市機能向上を図る上で障害となる交通渋滞解消を目指して、安全・低コスト・短期間で交差点の立体交差化を可能とする「とらい工法*1」を共同開発しました。

 都市は、その周辺地域も含めた政治・経済・文化の発展のために、多様な機能が集積されています。ところが、その集積の弊害として、様々な問題が発生しています。交通渋滞もその一つで、その結果大気汚染物質や地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出等により環境が悪化し、さらに物流の停滞等が経済的損失を生じさせ、都市機能の向上を大きく阻害しています。従って慢性的な交通渋滞の起点となる交差点、踏切部の立体交差化は、避けて通れない緊急課題であることは明らかです。

このような状況の下、平成14年度から標記3社が、交差点立体交差化工法の開発という共通課題を検討するためのプロジェクトチームを結成し、それぞれ保有する基礎工および上下部工技術を融合して、さらに一つの工法として発展させました。今回提案する中央径間部の一括引き出し工法については、類似実工事において、その安全性、施工性を確認するとともに、問題点を改良して、従来困難と考えられた低コスト・短期間での立体交差化工事を十分安全に実施することができる確証を得たことから、自信を持ってここに提案いたします。

本工法のコンセプトは、既に発表されている多くの工法の特長となっている「工事期間中の二次渋滞の緩和」のみならず、「利用者や住民の視点に立って、環境に配慮し、新たな快適空間を安全に、経済的に創造し、維持する」ことです。3社の技術の結集による様々な工夫、特長を以下に述べます。

【とらい工法の特長】
@ 交差点部主橋梁には3径間連続鋼床版1箱桁ラーメン橋を採用することで、桁高を抑え、桁下空間を確保し、アプローチ部にはプレキャスト擁壁を用い、両者の間を緩衝区間として、アプローチ部の先行施工を可能にし、トラス構造の採用により、直接基礎の採用、平面曲線への対応が可能になり、また景観への配慮も図っています。
A 基礎杭の本数は最小限に抑え、場所打ち大口径RC杭の採用によりフーチングを省略しました。
B 上記の工夫により現場施工期間を3ヶ月、工費を従来並みに抑えることができました。
C 地面に橋脚架設用穴を設置することで地組立て高さを低く設定し、トラス構造を擁壁間で地組立てすることで、施工中の沿道への圧迫感の軽減、安全確保に重点を置きました。
D 施工中も右折車線を確保し、工事占有延長を完成時とほぼ同等に抑え、交差道路の全面通行止めを一晩で済ませることで、施工に伴う二次渋滞を最小限に抑え、沿道住民や道路利用者への影響を最小限にとどめることができます。
E 環境への配慮(コンクリートの壁面緑化*2、TMD設置*3)や維持管理技術(箱桁内面防錆システム*4、ウレア樹脂によるコンクリートの剥落防止*5)の適用により沿道住民や道路利用者へ快適で安全な都市空間を提供致します。


【とらい工法の施工手順】
まず@主橋梁部基礎杭(場所打大口径RC杭)、緩衝区間直接基礎、アプローチ部プレキャスト擁壁、橋脚架設用穴を設置します。その後A主橋梁部の地組立てと擁壁間での緩衝区間トラス構造の地組立てを行い、B主橋梁部の扛上、引き出し移動、杭頭への降下、設置、緩衝区間トラス構造の引き出し移動、降下、設置により構造物の構築を終り、Cプレキャスト床版設置、アプローチ部盛土、高欄設置、伸縮装置設置で仕上げます。最後にD橋面工、付帯設備設置で完成となります。

私どもの提案は、道路利用者や沿道住民の方々の様々なニーズにこたえるべく、滞留することなく日々更新・進化していきます。
今後は、快適で安全な都市空間の創造のために、「とらい工法」の適用を積極的に提案して参ります。

*1:くりもと、おくむら、こまいの最後の文字を繋ぎ合わせました。TRY(挑戦)、TRI(3社、3径間、3ヶ月、3角形{トラスの形状})の意味を持ちます。
*2:コンクリート壁面に植生基盤を直接貼り付け、自動灌水装置により植栽を維持するものです。緑だけでなく花も植栽可能で、景観性向上、ヒートアイランド現象対策に有効です。本工法の土工部プレキャストコンクリート擁壁に適用できます。
*3:主橋梁は桁高さを抑えており、地盤条件その他で振動が問題になる可能性がありますが、桁制振装置(TMD)の設置により制振が可能となります。本工法では主橋梁部に適用できます。
*4:除湿剤を箱桁内に設置することにより、内面の塗装を省略でき、初期コスト、ライフサイクルコストともに低減できます。本工法の主橋梁部箱桁内に適用でます。
*5:ウレア系樹脂をコンクリート面に吹き付けることにより、コンクリートの劣化抑制、剥落防止、防水性向上を図ることができます(UUライニング工法)。本工法の壁高欄、すりつけ部プレキャストコンクリート擁壁、プレキャスト床版に適用できます。

以 上
   
  【お問い合わせ先】
   株式会社奥村組 関西支社土木技術部
   田川、小畑  Tel 06-6621-1101(代)
   株式会社栗本鐵工所 鉄構事業部企画開発部
   野村、串田  Tel 072-238-9945
   駒井鉄工株式会社 橋梁事業部設計部
   長谷川、有村  Tel 06-6475-2112

 

完成形





施工中 施工ステップ(トラス構造引き出し架設)


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