株式会社奥村組は、スクリューコンベア(以下SC)を使用しない泥土圧シールド機「Non-SC型 泥土圧シールド機」を開発、大阪府下の下水道管渠築造工事へ適用し、シールド機内における作業性の大幅な改善と、切羽土圧の安定性向上を図りました。
今回開発の「Non-SC型 泥土圧シールド機」は、ミキシング装置とディスク板を用いた土砂搬送装置で構成された新たな排土システムを持ち、ミキシング装置によって掘削土を均一に混練調整し、ディスク板の回転数を無段階に制御することによって、排出土量を調節しながら掘進します。
従来、中小口径の泥土圧シールド機では、SCの占有割合が大きいため、シールド機テール部が狭隘となり、シールド機内の作業性が悪くなっていました。しかし、今回新たに開発した排土システムに関わる装置は、φ2,000mm級の小口径シールド機でも機内にコンパクトに収納できるため、テール部の作業空間が広くなり、セグメント搬入・組立などの作業性が著しく向上します。
また、掘削土の排出量を無段階に制御することによって、SCに比べて切羽土圧の変動を微少に抑えることが可能で、ルースな地山での切羽安定性が向上します。
「Non-SC型 泥土圧シールド機」の特長は以下のとおりです。
@ シールド機内の作業空間が広く、セグメント搬入・組立てや測量の作業性が向上。
A シールド仮掘進時の施工性、作業性が向上。
B SCとセグメントの干渉がなくなり、急曲線施工への対応が容易。
C 機内の振動、騒音レベルがSCと比べ低い。
D 粘性土から50mm程度のレキを含む砂質土までの適用が可能。
奥村組は今後、SCを使用しない泥土圧シールド工法として「Non-SC型 泥土圧シールド機」の積極的な利用を図っていきます。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組 技術研究所
土木研究部 稲葉金正
0298-65-1762 |

Non-SC型泥土圧シールド機

従来型の泥土圧シールド機
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