株式会社奥村組、株式会社鴻池組、株式会社錢高組は、フレッシュコンクリート中の水量測定方法に関する共同研究を実施し、生コン受入れ時の単位水量管理手法を開発した。
コンクリート中の水量測定方法には、単位容積質量法、乾燥法、試薬濃度差法、水量と何らかの相関が認められる物理量から推定する方法など、従来からいくつかの方法が提案され、一部は実際の工事へ適用されている。なかでも加熱装置として電子レンジを用いた高周波加熱乾燥法は、測定原理が比較的簡単でなおかつ特殊な測定装置を必要としないことから、実際の工事管理に用いられる場合が多い。
一方で、高周波加熱乾燥法による測定は、
@一般にコンクリートからウエットスクリーニングによって採取したモルタルを対象として行うが、この際にセメント・水・細骨材などの構成比率が変化し、測定結果に影響を与える。
A生コン工場が使用する骨材の種類によっては、測定結果に大きな誤差を生じる場合がある。
などの問題点があった。
共同研究では、まず、単位容積質量法など既存の測定手法を、試験の簡便性・測定精度・工事管理に導入する際必要となるコスト・試験時間などから総合的に比較検討し、実工事への導入が最も容易と考えられる電子レンジによる高周波加熱乾燥法を選択した。その上で、上記した問題点に対する実験検討を行い、
@ウエットスクリーニングによる材料構成比率の変化を水量推定式に加味することで測定精度が向上する。
A加熱乾燥時に骨材質量が減少するため、これを水量推定式に加味することで、従来の手法に比べ測定誤差が低減する。
などの成果を得ることができた。
生コン受入れ時の単位水量管理は、コンクリートの耐久性確保の観点から、近年その重要性が再認識されている。また、長期的には水量のバラツキを抑えることで強度上の過剰な安全率を低減し、生コン単価の低減が期待できることから、同社らは、今後の施工物件において本手法の積極的な活用を図る方針である。
なお、この件に関する特許を出願中である。
以 上
【お問い合わせ先】
株式会社奥村組 技術研究所
起橋孝徳
0298-65-1836
株式会社鴻池組 技術研究所
平 弘毅
0298-57-2000
株式会社錢高組 技術研究所
薗井孫文
0428-31-6858
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