株式会社奥村組、日立造船株式会社、新日本製鐵株式会社の3社は、シールド機が地中で連続的に断面を拡幅・縮幅できる「連続可変拡幅シールド工法(CV拡幅工法:Continuously
Variable Section Shield Method)」を開発しました。
都市の地下利用が拡大する中で、地上環境や地下構造物、大深度などの施工条件の制約から、道路トンネルの非常駐車帯、分岐・合流部、共同溝の分岐部、電力洞道のケーブル接続部、地下鉄プラットフォームなどにおいて、地中でトンネルを部分的に切り広げる技術が求められています。
既存の拡幅技術である、凍結工法や地盤改良工法によって地山を安定させた後、人力等によって掘削する方法は、工期が長く、コストも嵩むなどの難点があります。こうした大掛かりな補助工法を用いずに、シールド機自体を拡幅・縮幅させてトンネル断面を変化させる工法が開発されてきていますが、これまでの工法は段階的に拡幅する方法(シールド機全長分を余掘り後、シールド機全体を平行に拡幅する。数回これを繰り返し所定の断面まで拡幅する。)なので、余掘り部分の地山安定に課題が残っていました。今回開発したCV拡幅工法は、標準断面から拡幅側を連続的に傾斜拡幅し、所定の拡幅断面形状で必要な長さを掘進した後、連続的に傾斜縮幅して再び標準断面に戻る方法であり(資料−1)、シールド機のスキンプレートを斜めに拡幅できるため、地山の安定に優れています。
特長は以下のとおりです。
◇シールド機
1. |
シールド機本体の拡幅側は前胴と後胴から成り、それぞれ独立に作動して斜めに拡幅することができます。また、拡幅・縮幅時のスライド部には、地下水や土砂の浸入を防止する特殊シールを設けています。 |
2. |
カッタ駆動軸は掘進中に偏心させることができ、標準部の小判型断面から拡幅部の偏平小判型断面へ連続的な移行が可能です。 |
3. |
テールシールはスキンプレートの拡幅に追従でき、断面変更時の変形・ねじれ等にも対応可能な構造としています。 |
◇セグメント
1. |
標準部は小判型断面形状で、拡幅部は上下の平行部分を拡幅して偏平小判型断面形状としています。 |
2. |
拡幅断面部は高耐力の鋼製セグメントを使用し、標準断面部と覆工厚を同じにして掘削断面の最小化を図っています。 |
例えば、CV拡幅工法を道路トンネルの非常駐車帯に適用した場合、非常駐車帯を包括した円形断面シールドに比べて次のような利点があります。
1. |
掘削土量が少なく環境への対応に優れている。 |
2. |
トンネル径が小さく、土被りを少なくできる。 |
3. |
標準断面部は敷設道路の幅員が小さくて済む。 |
今後は、CV拡幅工法の完成度を高めると共に、実プロジェクトへの営業展開を進める計画です。
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